賽の一振りは決して偶然を廃棄できない

湯浅克俊

2014年11月8日[土] ― 12月7日[日]

Un Coup de De´s Jamais N'Abolira Le Hasard
(賽の一振りは決して偶然を廃さないだろう)はフランスの詩人ステファヌ・マラルメ(1842-1898)による最も革新的で難解な詩の一文です。この一文が含まれた詩「骰子一擲」は、詩と偶然性ついて扱われ、様々な書体や文字の大きさを用いて、それまでの西洋詩の概念を覆しました。

 撮る、彫る、摺るという行為は完全な創造行為ではなく、必ず偶然の影響を受けます。50%創造で50%偶然という時もあれば、70%創造で30%偶然という時もあり、その逆もあります。
 その%はケースバイケースで変化します。この不確定要素を制作においてどのように扱えば良いのか、ずっと考え続けてきました。
 時に主体的に時に受動的に。賽・骰子(サイコロ)を振るという行為は何%創造で何%偶然なのでしょうか。
 私にとっての制作行為はサイコロを振る行為にとても近いと思っています。
 それが私に唯一出来る不確実で不条理な世界の大きな流れに対する、静かで僅かな持続的な抵抗です。

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